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まめちの本棚

自分が「面白い」「皆さんに知ってほしい」と感じたことを書き記すブログです。※投稿内容は個人的な意見の表明に過ぎず、所属する組織の見解を反映するものでは一切ありません。

背教者ユリアヌス(上)

背教者ユリアヌス (上) (中公文庫)

僕が最初に出会った辻邦生の作品は「安土往還記」であった。ジェノバ出身の船員が見た織田信長が語られるという内容だったが、ぐいぐいと引き込まれるように読んだことを憶えている。

『背教者ユリアヌス』は僕にとって2作目の辻邦生の作品となる。

この作品を読もうと思った動機は、主に3つある。

1つは「背教者」という刺激的な言葉がタイトルに付いていること。

背教者。教えに背く者。

なんともいえないゾクゾクした、背徳の匂いがプンプンする魅力的な言葉である。

きっと大がかりな弾圧や迫害をやったんだろうなぁ、その凄惨なシーンの描写が作中で余すところなく展開されるに違いない、と期待してしまうではないか。

もう1つは「ユリアヌス帝」というマニアックな人物にスポットが当てられていること。

ローマ時代の人物なら、カエサルやらアウグスティヌスやらいくらでもメジャーな人物がいるだろうに、なぜ「ユリアヌス帝」という、あまり日の当たらない人物について書こうと思ったのか。

おおざっぱに言うとこの2点が気になり、ワクワクしながら読み始めた。

内容は、端的に言うとユリアヌス少年の成長記と、彼を取り巻く宮廷のドロドロした権力闘争。

毒を盛る、密告する、裏切るなどは日常茶飯事のえげつない宮廷絵巻が繰り広げられます。

読みながら『風の谷のナウシカ(漫画版)』とか、山田長政を主人公とした、タイ王宮内の権力闘争を描いた『王国への道』を思い出した。

上巻のみどころは宮廷で繰り広げられる権力闘争のスパイシーさだと思います。

昼ドラとか山崎豊子の小説が好きな方は、楽しんで読めることうけあいです。