ザ・コールデスト・ウィンター
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大昔に書評ブログを書いていたのを思い出し、再利用することにしました。
あんまり肩肘張っても続かないので、読みながら感じたことをふわふわ書いていくことにします。
内容の正確性に問題があるかも知れませんが、その際にはご指摘いただけると幸いです。
今読んでいるのが、ハルバースタムの遺筆となった「ザ・コールデスト・ウィンター」。
朝鮮戦争を扱ったドキュメンタリーです。
結構ボリュームのある本なので、ちびちび読んでいるのですが、
今のところ「何事も油断大敵」という印象が強いですね。
会戦当事、
「相手は黄色人種の、しかも最近まで日本に支配されていた朝鮮民族である。敵は恐れるにたらず」
という認識が米軍首脳部にあったようです(太平洋戦争開戦時にも、日本軍に対して同じ印象を持っていたような・・・)。
ですが、実際の北朝鮮軍は元抗日パルチザンや国共内戦の義勇兵として修羅場を潜り抜けてきた精鋭揃いであり、ソ連のT-34戦車など最新鋭の装備で武装していました。
一方で、米軍は太平洋戦争の勝利の後、防衛関連費が削減されたこともあり、日本駐留軍の錬度は低水準でした。また、現地情報の取得にもあまり熱心ではなく、開戦の予兆となったさまざまな情報(戦車が通れるよう、橋げたの補強工事が行われている、など)も無視されました。
余談ですが、この「情報の軽視」という現象は、真珠湾攻撃の際にも見られたらしく、映画「トラ・トラ・トラ!」ではその様子が描かれています。
本書は中国が本格的に参戦し国連軍が北朝鮮の雲山から押し戻されるシーンから始まります。その後、マッカーサーの人となりやトルーマンが大統領に選出された過程、李承晩や金日成のエピソードなど、色々と話が飛ぶため朝鮮戦争のプロセス自体は追いにくいのですが、どのトピックも密度の濃い内容であり読み応えがある作品です。
また気付いたことがあったら加筆していきます。
ハルバースタムといえば、
『ベスト・アンド・ザ・ブライテスト』(ベトナム戦争開戦への意思決定過程)
『覇者の奢り』(日米自動車戦争)
などで有名ですね。