まめちの本棚

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Day1 イラン入管突破とテヘラン市内観光①

旅行日時:2013/10/26

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Day1 エミレーツ航空でドバイ経由テヘランへ

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飛行機の窓越しに、イマーム・ホメイニー空港のエプロンに駐機しているイラン航空の飛行機を眺め、

イランにやってきたことを実感する。

飛行機を降り、入国審査へ向かう。

きらびやかなドバイ空港とは違い、少し煤けた印象のターミナルである。照明も少なく薄暗い廊下を、動く歩道に乗りひたすら前に進む。

入国審査の列に15分ほど並び、いよいよ自分の番。緊張の一瞬である。

「サラーム!」

元気よく笑顔で挨拶し、入国審査官にパスポートを手渡す。

「イランに来た目的は何ですか」

「観光です」

「イランに来るのは初めてですね?」

「そうですが・・・」

審査官、なにやら険しい顔で机の上の端末を叩き出す。嫌な予感・・・

「ふむ。・・・あそこに立っている係員の指示に従ってください」

うおっ、別室送りかよ・・・最悪。

イスラエルウルムチの空港で色々尋問された嫌な記憶が脳裏を掠める。

やっぱりイスラエルのスタンプがまずかったのだろうか?

ここは礼儀正しくかつはっきりと、

イランを渡航先に選んだ理由について説明せねばならんな・・・

イスラエルに行ったときは何て答えたっけ?

等と、色々な考えが頭を掠める。

入国審査スペースの隣にある小部屋に案内され、そこで別の係員の指示に従うように、と。

部屋にはイラン人男性が5名ほどいたが、なんだか打ち解けた雰囲気。

あれ?これ尋問じゃなくね?

しばらくして、前の机に座っていたおじさんに、

「今から指紋取るから、この機械に指のせて」

・・・なんだ、指紋取るだけか。よかった。

胸を撫で下ろす。

指紋を取り終え、部屋の外に出て入国審査とは別のカウンターから、

入国スタンプの押されたパスポートを返してもらった。

これで晴れてイラン入国である。

1階のバゲッジ・クレームに行く途中で、若い女性がバラの花を配っていた。

素直に受け取れば良いものを、

「この手の、海外でタダでモノをくれる奴=あとで小銭をせびる面倒くさい奴」

という条件反射がはたらき、つい無視してしまった。

怪訝な表情をする女性。

僕の行動を後ろから見ていたイラン人紳士が一言、

「彼女は善意でバラを配っているんだよ」と。

うーむ、到着早々少し気まずい事態に。

とはいえ、空港で到着客に花を配るなんて、粋なことをする国だなぁ、と

イランに対する印象がまた良くなった。

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荷物受取りコンベヤの上には、ホメイニー師とハメネイー師の肖像写真が掲げられていた。

この先イラン各地で目にする事になる、この二人と最初の対面である。

荷物を受け取り、出迎えに来てくれていたPTA社(旅行会社)の職員及びタクシーの運ちゃんと合流。

運ちゃんは身長185cmはあろうかという大男であった。

挨拶もそこそこに、職員氏はその場を立ち去り、運ちゃんが僕のザックを担ぎ上げタクシーへ向かう。

空港で少し両替したかったのだが、まぁ両替はホテルですればいいかと思いそのまま運ちゃんに着いていった。

車に乗りテヘラン市街へ。

空港の周りは何もない沙漠である。

途中ガソリンスタンドに立ち寄り給油。

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ガソリンスタンドからぼんやりと沙漠を眺めているうち、ふと大事なことを思い出した。

PTA社との打ち合わせでは、

空港到着時にホテル代や飛行機の代金など220USドルを支払うことになっていたが、

まだバウチャーやチケットを受け取っていないのである。

この運ちゃんがチケットを持っているのだろうか?

もし持っていないのならば、色々と面倒な事になるな・・・

これは早く尋ねなければ。

給油が終わったようなので、運ちゃんに尋ねてみる。

「英語わかる?」

かぶりを振る運ちゃん。指差し会話帳を取り出し、たどたどしいペルシャ語で尋ねる。

「ミスター。

ショマー ベリート ダーシュタン?」

(あなた 切符 持つか) 

運ちゃんはにやっと微笑み

「オー。ベリート!」

切符だな、ちょっと待てよとダッシュボードをまさぐり、翌日に乗る予定のイラン航空のEチケットを出してくれた。

やれやれ一安心。

「ところで、220ドルあんたから預るように言われてるけど、

俺の取り分は30ドルで間違いないよな?」と聞いてきたので、間違いないと返答。

車は再びテヘラン市内へ向けて走り出した。

ホメイニー師の亡骸を埋葬している、ホメイニー廟。

現在も拡張工事中らしい。

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ハイウェイの料金所。「テヘランへようこそ」との看板が。

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テヘラン市街に入ると、急に車やバイクの寮が増える。

交通マナーは非常に悪く、ウインカーを出さない車線変更など当たり前、

交差点では信号などお構いなしにバイクや自転車、人が飛び出してくる。

混沌としたテヘランの雑踏を掻き分けるように車は進み、今日の宿である

「フェルドゥーシ・ホテル」に到着。

ロビーの様子

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シングルルーム。少し暗いが落ち着いた雰囲気のいい部屋だった。

冷蔵庫には無料のペットボトルと果物が入れてあった。

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トイレは、紙を使わないペルシャ様式にもちろん対応している。

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荷物を置き、一休みしてから近所の両替屋でイラン・リアルを入手。

ひとまず50USD両替した。レートは1USD=30,500イラン・リアル

ちなみにイランでは10イラン・リアル=1トマーン とする呼び方が一般的であり、

この用法に従うと1USD=3,050トマーン となる。

買物する際は、表示がリアルなのか、トマーンなのか確認する必要がある。

懐も暖かくなったところで、少しホテルの周りを散歩してみた。

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靴屋

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下町という事もあってか、かなり空気が悪い。

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ホテルの近くには電気街や道具屋筋などがあり、ソニーパナソニックサムスン、フィリップスといった電化製品が所狭しと並べられていた。もちろん最新型である。

アメリカの経済制裁により経済はかなりの打撃を受けている・・・と聞き及んだが、どうにか抜け穴を見つけて決済を行い、海外より高額の商品を輸入しているようだ。

イラン人のしたたかさの一端を垣間見た思いであった。

ちょっとした散歩のつもりだったが、少し足を伸ばし、

映画「ARGO」の舞台となった旧アメリカ大使館まで出向くことにした。

つづく