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まめちの本棚

自分が「面白い」「皆さんに知ってほしい」と感じたことを書き記すブログです。※投稿内容は個人的な意見の表明に過ぎず、所属する組織の見解を反映するものでは一切ありません。

【読書メモ】松尾豊『人工知能は人間を超えるか~ディープラーニングの先にあるもの』第2章

毎日少しずつ読み進めている人工知能本。今回は第2章。

昨日、上司と打ち合わせをした際、

「この製品については、AIとディープラーニングをセールスポイントとしてアピールすべきだ」

と主張したのに対し、

「いやぁ、これはそんなに大層なものではないと思いますが・・・」

とヤンワリと異を唱えたところ、上司はちょっと不機嫌そうだった。

さて、このやりとりは「正しい」(サラリーマン的に・倫理的に・知的態度として)か否かは、AIは判断してくれるのだろうか?

第2章 「推論」と「探索」の時代-第1次AIブーム

・第1章では、専門家の間ではまだ人工知能はできていないという認識であることを確認した。

・なぜ、人工知能は実現していないのか?その経緯を歴史から振り返っていく。

人工知能の歴史(ざっくり)】

・「人工知能」という言葉は、1956年にダートマス大学で開催されたワークショップで生まれた

・世界最初の汎用式コンピュータであるENIAC」の驚異的な計算能力に圧倒された科学者が、「コンピュータはいつしか人間より賢くなり、人間の知能を凌駕するだろう」と考えるようになった

人工知能「ブーム」と「冬の時代」を繰り返した

1950年代後半~60年代の第一次ブーム、80年代~90年代後半の第二次ブーム、2010年代の第三次ブームがそれである。

(※今は第三次ブームの最中となる)

・第3次ブームを巻き起こした要因は2つあると著者は分析している。

☆技術的要因

1.ビッグデータの時代に広がった機械学習

2.技術的に大きなブレークスルーである「ディープラーニング」の登場

☆非・技術的要因

IBMのワトソンプロジェクトや将棋電王戦の話題性

・一流学者が人工知能に対して示した懸念

(※人工知能ブームは、マーケティング的成功でもある)

【人口知能の仕組み】

・第一次人工知能ブームにおいては、「推論」と「探索」の研究が中心であった。

☆探索木

・場合分けを繰り返し、全ての選択肢をしらみつぶしに実行することで解に至る手法

・限定的な局面においては適切に問題を解くシステムも開発された(スタンフォード大学、SHRDLU)

・問題が複雑になると計算量が莫大となり解の探索に時間を要するのが難点

⇒将棋の場合、10の220乗通りという、全宇宙の観測可能な水素原子の数を上回る量の選択肢が存在する。

これを全て計算するのは非現実的

ミニマックス法

・『ゲームは、自分は自分の点数を最大化(Max)する手を差し、相手はこちらの点数を最小化(Min)する手を指すことで成り立つと仮定すると、5手先、10手先の最善手が決まる』 (p75)

⇒計算範囲が限定的になる

IBMのチェスロボット「ディープ・ブルー」や、将棋ソフト「ボンクラーズ」はこのアルゴリズムを利用している

☆将棋ソフトが最近強くなった理由

1.よりよい特徴量が発見されたこと

※特徴量・・・『「データの中のどこに注目するか」ということ』(p78)

将棋の場合、『王将と金と銀の位置関係がどうなれば有利なのか、人間には見えていなかった相関関係を、過去の寄付というビッグデータの中から見つけ出し、それによって次の差し手を絞るときの精度が向上した』(p78)

2.モンテカルロ法でランダムに手を指し続ける

(※VaRの計算手法と似ている)

【第1次AIブームの限界】

・チェスや将棋のような限定された世界における問題は解けるが、

病気の治療法や、最適な経営戦略といった問題には解を与えられない

⇒(一部ミスリーディングもあり)人工知能に対する失望が広がる

⇒『人間の知能の奥深さをコンピュータで表現することの奥深さがわかったのが、第1次AIブームであった』 (p82)