まめちの本棚

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【読書メモ】松尾豊『人工知能は人間を超えるか~ディープラーニングの先にあるもの』第3章

『人間は、単純なルールで記述された言葉でも、そこに知性があると感じてしまうらしい』(p86)

エキスパートシステム・・・1980年代にはフォーチョン1000企業の3分の2が何らかの形で日常業務に人工知能を使っているとされた

※住宅ローンの自動審査プログラムなど。アレが人工知能なのか?「AI問題」の顕在化といえそう。

・AIは言葉の意味を理解しているわけではない・・・機械翻訳はいまだに苦手。言葉を記号としてとらえ、言葉どうしの結びつきを数学的に表現するのは得意だが、人間のように会話の背景やバックグラウンドを認識しているわけではない。これはワトソンも同じ。

・ワトソンは、1980年代から連綿と続いてきた「オントロジー」という学問の結晶ともいうべきもの。何か特別で画期的な新技術のたまものではない。しかしIBMは「商売がうまい」

・フレーム問題・・・『あるタスクを実行するのに「関係ある知識だけを取り出してそれを使う」という、人間ならごく当たり前にやっている作業がいかに難しいかを表している』(p105)

・1980年代、日本は国家主導で人工知能を作ろう、という計画をぶち上げたが、思ったような成果を得られなかった

(この「第5世代コンピュータ」プロジェクトには述べ570億円が投じられた。プロジェクト自体はうまくいかなかったものの、人工知能研究のために優秀な人材が集まり、海外からも優秀な研究者を招いてコネクションができた)

・同プロジェクトは『「勝つために振る価値のあるサイコロ」だった』(p109)

※「勝つために振る価値のあるサイコロ」という表現は良い。今のコスパ礼賛・ムダを許さない主義と相容れない考え方である。

国でも個人でも貧乏になるとこういう勝負に出られなくなる、というのがやるせない。