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まめちの本棚

自分が「面白い」「皆さんに知ってほしい」と感じたことを書き記すブログです。※投稿内容は個人的な意見の表明に過ぎず、所属する組織の見解を反映するものでは一切ありません。

【読書メモ】辻田 真佐憲「大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争」第5章

掲題の図書を読了。

古い体質の大企業に身を置いていた経験から言わせてもらうと、

「大企業あるある」が濃縮された一冊であった。

本書から得られる教訓は、

「戦争への勝利」という「大目的」を完遂するために、本来ならば陸軍・海軍が協力しあうべきところを、

陸海軍ともに、自分の属する組織の利益の最大化を図ることだけに汲々とし、

結果として「大目的」を達成する機会を失った、

という事であると捉えた。

特に身につまされたのは、本書第5章

「片言隻句で言い争う陸海軍」

である。

1944年10月の「台湾沖航空戦」の戦果をめぐる大本営発表において、

陸軍報道部と海軍報道部との間で発生した争いの様子が紹介されている。

いわく、陸軍報道部側は

「本日陸海軍幕僚長を召させられ南方方面陸軍最高指揮官・連合艦隊司令長官

云々という文案を作成したことに対し、海軍側は

「本日海陸軍幕僚長を召させられ連合艦隊司令長官・南方方面陸軍最高指揮官…

という風に、「海軍を筆頭に据えるよう」抗議してきたというのである。

(p203-205)

事の本質には関係のない、内部の論理だけを押し出した醜い争いというほかないが、

このようなバカげた争いは、21世紀の今にあっても色んなところで目にしますね。

「内部の論理を優先した結果、本来の目標を見失い迷走する」

というのは、官僚的な組織に共通した現象なのか、それとも限定的な事象なのか。。。