まめちの本棚

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【書評】佐藤優『インテリジェンス人生相談』シリーズ

今回紹介する『インテリジェンス人生相談』シリーズは、週刊『SPA!』の連載「佐藤優のインテリジェンス人生相談」に寄せられた相談内容を編集したものです。

※タイトルに『インテリジェンス人生相談』という語句は含まれていませんが、同様の趣旨の書籍である『人生の極意』も当シリーズに含めています。

一連の「人生相談」では、

『時には、私にとって、まったく受け入れられないような考え方をしている読者から質問が寄せられることもある。こういうときも、私は「いかなる状況においても相談者の味方である」という原則を崩さないことにしている』(『人生の極意』p5)

というスタンスが一貫して貫かれています。

相談内容は実に様々です。

「女の子はどんな育て方がよいですか?」(個人編、p96)

「女房や子供に愛情を感じることができません」(個人編、p100)

「転職先でうまくコミュニケーションがとれない」(社会編、p116)

…といった、ありがちな内容のものもあれば、

「発給の介護ヘルパーで、将来の展望が持てない」(社会編、p112)

「受験生の娘が摂食障害に苦しんでいます」(復興編、p97)

…等の、シリアスな相談もあり、

「コロンビアで男の器を磨きたい!」(復興編、p157)

「日本でイスラーム教を布教させたい」(復興編、p57)

…といった、どうやって回答したらいいのか想像もつかない、

というものもあります。

相談の内容がどのようなものであっても、「いかなる状況においても相談者の味方である」という態度は首尾一貫しており、常に相談者の目線に立った回答をしているところに好感が持てます。

人生相談に散見される「○○しなさい」「○○しないからダメだ」といった類の、「上から目線」の回答はなされません。この辺に、佐藤氏の人柄の良さが表れていると思います。

本書のもう一つのユニークな点は、

一つの相談に対し、必ず一冊の参考文献を提示していることです。

参考文献から文章を引用することで佐藤氏の主張を強化・補足し、説得力を持たせる、という手法を取っています。

このような形式を取る人生相談は珍しく、本書のユニークな特徴です。

人生相談は、回答者の個人的経験に基づく主観的な内容になりがちななか、回答に客観性を持たせるために有効な手法であると思いました。

私自身も、仕事やプライベートで色々な壁に当った際に、本書を読んで色々な気付きを得られることがありました。

仕事や恋愛、家族関係などで問題を抱えている方には、ぜひ手に取っていただきたいと思います。

※「佐藤優のインテリジェンス人生相談」は2016年10月16日現在、相談を受け付けているようです。