今更ながら「ゴジラ」(昭和29年ver)を観た感想
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こんばんは。まめちです。
先日、今更ながら「ゴジラ」を観ました。
「シン・ゴジラ」ではない、昭和29年に公開された元祖「ゴジラ」です。
なんで今更この映画を・・・というと、Twitterでも何回か取り上げた本『航空から見た戦後昭和史:ビートルズからマッカーサーまで』の影響です。
本作品にて『ゴジラ』が言及されていたのですが、
「そういえば観たことないなぁ」と思い、Amazonでレンタルして観てみました。
「ゴジラ」は普通に面白い映画でした。
60年前の映画とは思えないクオリティの高い作品であり、さすが今日に至るまでリメイクされ続ける映画は違うな、
と感心した次第です。
面白いな、と感じた点をいくつか。
・ジュラ紀が「今から200万年前」とされている点
志村喬演じる古生物学者の山根博士は、
「ゴジラは今から200万年前のジュラ紀に地球上に存在した恐竜の末裔である」
という趣旨のプレゼンをします。
当時は恐竜が地球上に存在していた時代が200万年前とされていたようです。
現在、人類の直接的な始祖とされるアウストラロピテクスが地球上に出現したのが400万年前とされていることを
考えると面白いですね。
現在、ジュラ紀は約1億5000万年~約2億年前とされていますが、
古生物学や地球物理学の研究も「ゴジラ」が公開されて以降、
大きな進歩を遂げたことを伺い知ることができます。
(現在大陸移動の説明としてほぼ定説とされているプレートテクトニクス理論も、理論的な完成をみたのは1968年になってからのようです。)
・戦争の描写がナチュラルな点
太平洋戦争が終結してから10年とたたない時期に公開されただけに、
作中では随所に戦争の影を感じることができます。
例えば、ゴジラが出現したと聞いて電車の中で男女が交わす台詞
「せっかく長崎の原爆で命拾いしたのに」
「また疎開か」
という台詞や、
ゴジラの姿を見て怯え、
「もうすぐお父さんの所に行くからね」
と子供たちを宥める戦争未亡人と思しき女性の姿や、
「オキシジェンデストロイヤー」を開発した、芹沢博士(戦争による負傷で片目を失った)など、
太平洋戦争が日常生活に影を落としていたことが察せられます。
・「水爆と環境破壊」というテーマにあまり共感できなかった点
本作品が水爆実験に着想を得て制作されたというエピソードはあまりにも有名です。
作中においても、核実験と環境破壊に対する批判的な描写がなされますが、
私はあんまり「反核兵器」というテーマに共感できませんでした。
冷戦が終結し、核戦争の脅威が遠ざかった環境の中で生きているという現代の社会情勢による影響が大きいせいかもしれません。
いずれにせよ、パニック映画として、社会派映画として、科学映画として、
多様な解釈が可能な面白い映画です。
観て損はないと言えましょう。
今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。