女子会()議事録~トム・デマルコ『ピープルウェア』
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女子会()議事録
- 課題図書:トム・デマルコ/ティモシー・リスター『ピープルウェア』
- 開催日時:2017年4月1日(土)9:30~11:30
- 開催場所:太陽の光が降り注ぐ、表参道のオシャレなカフェ
ヤニ臭い西日暮里のルノアール - 参加者:あや、しほ、まめち(※仮名です)
■議事:
オフィスでは、いいアイデアは浮かばない
まめち:今日は本書の第2部「オフィス環境と生産性」を読んだうえでの、諸君の感想をもとに議論を進めたい。
あや:「残業の真の目的は品質向上である」という記述がある(本書p52)が、これは私自身の経験から照らしても首肯できる。残業中は、電話や同僚からの声掛けといった邪魔が比較的入りにくいためだ。
しほ:私も、長めの文章を書くとか、企画書のアイデアを練るといった創造性や工夫の必要な仕事は、業務時間外の朝と夜に行うようにしている。また、通勤時間や昼休み、帰り道など仕事に関係のないシーンで、ふといいアイデアが浮かぶことがある。
まめち:昔から「三上の名案」という言葉がある。三上とは、すなわち馬上(馬に乗っている時…移動中)、枕上(枕の上…寝る前)、厠上(トイレ)である。もっとも、仕事に関係のない局面においてこそ創造性が発揮される、というのは皮肉な話ではある。
あや:第2部では、オフィス環境の改善がホワイトカラーの労働生産性を改善するうえで非常に重要であると述べられている。オフィスは「静かであり、無意味な中断が少なく、電話の音を消せるなど雑音が入りにくい」という環境を備えるべき、というものだ。
しほ:何かで読んだのだが、IBMも、かつてオフィス環境改善に取り組んだことがあり、「広くて静かなオフィスのほうが生産性が高い」という結論に至ったと記憶している。
あや:要は、オフィス環境を自分にとって心地よいものにすることが肝要ということだ。
しほ:そのために、本書では、従業員がオフィス環境の構築に参加できる仕組みや、極力窓を多くしたレイアウトのビルディング設計を推奨している。
まめち:前者はまだしも、後者は会社側に相当な負荷がかかる。
万能のコミュニケーションツールは存在しない
まめち:本書では、プログラマーの思考を中断させないために、電話ではなく電子メールを使うよう推奨している。本書の初版は1987年、第2版は1999年に出版されている。
1987年はEメールの黎明期であり、「この最新のテクノロジーがオフィスのコミュニケーションにまつわる問題を劇的に解決してくれるだろう」と無邪気に考えられていたのだろう。
しほ:メールが万能のコミュニケーションツールでないことは今となっては明白であるが、人は新しいコミュニケーションツールが出るとそれに過剰な期待を寄せる傾向があるように思う。
あや:私は仕事でSkypeチャットやSlackを使っているが、チャットは気軽に返事を返せるものの、内容が雑になりがちで、結局確認に時間を要し非効率であると感じている。
しほ:チャットは基本的に1:1のコミュニケーションであり、他人と共有できない。また、スラックだと関係者が多すぎて収拾がつかなくなる。
まめち:最近、コミュニケーションツールは多様化しすぎている。「この要件は何を使って連絡を取ったかな、Facebookだったか?LINEだったか?Twitterのダイレクトメッセージか?それとも電話か?」ということを覚えておかないと混乱してしまう。
(つづく)