「旅行で最低限必要な言葉」をまとめた動機
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■「英語を話せれば不自由しない」は本当か
「英語を話せると10億人と話せる」
という英会話学校のキャッチフレーズが一昔流行ったのを覚えていらっしゃるだろうか。
英語を話せることにより、コミュニケーションが大幅に広がる可能性を示唆した、優れたコピーとして強く印象に残っている。
確かに今日、英語は世界共通語としての地位を占めていると言って、異を唱える人はあまりいないだろう。
とはいったものの、世界には英語が通用しない国/地域は未だに数多く存在する。
「英語が話せると10億人と話せる」とは、
「英語の話せない60億人とは話せない」ことの裏返しでもあるのだ。
日本人の観光旅行のための渡航先として選ぶ場所では、
「英語や日本語が全く通じず不自由した」経験をすることはあまり無いかもしれない。
韓国、台湾、中国では英語どころか日本語が通じる場合が多いし、
非英語圏のヨーロッパにおいても、英語は大抵の場合通じる。
しかし私のような、あまり人の行かないところに行くのが好きな物好きからすると、
「渡航先で英語が通じて当たり前」という状況が当てはまらない場合が多い。
その例が中央アジア諸国である。
私がかつて訪れた旧ソ連の国々---
グルジア、アルメニア、ウクライナ、ロシア(モスクワ、ウラジオストク、ユジノサハリンスク)、
そしてキルギス---
では全くと言っていいほど英語が通用しなかった。
この「通用しない」とはどの程度かというと、
Yes/Noといった、日本なら少し気の効いた幼稚園児でも知っているような、
そんな超基礎的な語彙すら通用しないのである。
私たち日本人の大多数が、ウルドゥー語やダリー語などの語彙を全く解さないが如くである。
このような状況下だと、
ガイドブックの巻末にオマケ程度についている現地語会話集か、
「旅の指差し会話」シリーズなどの旅行会話集を活用する、
あるいは身振り手振り、ノートに絵を書く、関西弁でしゃべる、などの手段に訴えざるを得ない。
■旅行会話集の使いにくさ
しかし、この会話集も欠点が多い。
・必要でない会話が数多く収録されている
割には
・必要な会話が収録されていない
事が多いのである。
本という形態を取っている以上、「すぐに知りたい会話例が見つからない」という難点もある。
この点、スマートフォンのアプリケーションや、電子辞書に付属している会話集は大幅に改善されたとは思うが、
それでも「欲しい会話が収録されていない」問題は解決しないし、電池が切れた場合使えなくなるという問題もある。
また、いくら優秀な会話集を持っていても、
現地人とコミュニケーションする際、常にこの手の会話集に頼るわけにもいかず、
やはり必要最低限の語彙は記憶しておきたいところである。
■自分に合った「会話集」が欲しい
では、「必要最低限の語彙」とは何だろう?
今後の旅行を円滑に進める上で、これを把握しておきたいと思ったのが、
記事を書いた動機である。
さしあたっての目標は、10月末に訪れるイラン旅行において、
語学力不足から発生するストレスを最低限に抑える事である。